
SNSを開けば、定期的にタイムラインを賑わせる「生活保護問題」。
受給者の暮らしぶりに対する不満や、不正受給を疑う声など、激しい怒りの矛先が受給者個人に向けられる光景をよく目にします。
しかし、本当に私たちが怒り、見直すべきなのは受給者個人なのでしょうか?
結論から言えば、本当の問題は「現代社会に完全にミスマッチしている生活保護のシステムそのもの」にあります。
昭和の家族・雇用モデルから抜け出せない制度
現行の生活保護法のベースがあるのは、まだ日本が若く、右肩上がりだった時代の社会構造です。「標準的な家族(夫婦と子供)がいて、夫が終身雇用で働き、困ったときは親族が助け合う」という昭和のモデルが前提になっています。
しかし、現代は単身世帯が急増し、非正規雇用が当たり前になり、親族関係も希薄化しています。この「時代の変化」と「古い制度」のギャップこそが、現場やSNSでのあらゆる歪みを生み出しているのです。
「働いたら損をする」就労支援の矛盾
現行システムの中で特にミスマッチなのが、受給者が少しでもアルバイトなどで稼ぐと、その分だけ保護費が原則として減額されてしまう仕組みです。これでは「必死に働いて自立を目指しても、生活が全く楽にならない」という状況をシステム側が作り出してしまいます。
社会復帰を促すためのセーフティネットであるはずが、逆に自立への一歩を重くする構造になっている。これこそ、制度設計そのもののエラーです。
個人を叩いても社会は1ミリも変わらない
受給者のモラルを責めたり、一部の極端な例を取り上げてネットで叩いたりしても、根本的な解決にはなりません。むしろ、本当に支援が必要な困窮者が「バッシングが怖くて申請できない」という最悪の事態を招くだけです。
私たちが目を向けるべきは、受給者の個人の行動ではなく、「なぜこの制度は現代のセーフティネットとして機能していないのか」という構造的な問題です。
まとめ:怒りのエネルギーを「制度のアップデート」へ
時代に合わなくなった古いシステムを、どうやって現代仕様に変えていくか。
個人を叩いて溜飲を下げる不毛な消費から、制度そのものを適正化していくための建設的な議論へと、私たちの怒りのエネルギーをシフトしていく必要があります。

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