
はじめに:これは”うっかり”ではない
2026年6月15日、参議院決算委員会。その場で飛び出した言葉に、私は深い怒りを覚えた。
立憲民主党の古賀千景参院議員が、こう発言したのだ。
「自衛隊に行く子どもたちって、経済的に厳しい子どもたちが行くんですよ。豊かな子どもたちは、自衛隊とかなりませんよ」
現役の国会議員が、国会という公の場で発した言葉だ。「うっかり言い間違えた」では済まされない。この発言の背後にある思想そのものが問題なのだ。
発言の経緯:何が起きたのか
古賀議員は、防衛省が全国の小中高校に配布している子ども向け冊子「まるわかり!日本の防衛〜はじめての防衛白書2024〜」について質疑していた。約30年間、福岡県内で教員を務め、日教組(日本教職員組合)特別中央執行委員も歴任した「教育のプロ」という立場からの発言だった。
委員会室がざわつくと、古賀議員は即座に「失礼しました、訂正します」と撤回した。しかし、一度口から出た言葉は消えない。この発言を聞いた全国の自衛官と、その家族の心の痛みは、簡単な「訂正」で消えるものではない。
小泉大臣の反論:「冒涜にあたる」
小泉進次郎防衛大臣は即座に「自衛官の子どもたちへの配慮に欠ける発言だったのではないでしょうか」「全くそういうことはありません。事実誤認です」と反論。
翌6月16日の閣議後会見では、さらに踏み込んだ。
「一方的な偏見に満ちた見方を国会の中でされたことを、大臣として黙っているわけにはいかない」
「志をもって自衛官に自ら志願をした隊員への冒涜にあたる」
小泉大臣の言葉は、まさに正鵠を射ている。これは「冒涜」以外の何物でもない。
問題の本質:自衛官を「貧しい者が仕方なく就く仕事」と見ている
古賀議員の発言が根本的に誤っているのは、自衛官という職業の選択を「経済的事情による消極的な選択」として矮小化している点だ。
自衛官は、国と国民を守るために自らの意志と使命感をもって志願した人たちだ。命を懸けてこの国を守る覚悟を持った、誇り高き存在である。「貧しいから仕方なくなった」という見方は、彼らの志と尊厳を根底から踏みにじるものだ。
30年間、教壇に立ってきたというなら、自衛隊に進んだかつての教え子たちの思いに、もっと真剣に向き合ってほしかった。
4年前のXポストが示す矛盾
さらに見逃せない事実がある。
古賀議員は2021年11月、教え子が自衛隊員になったことをXに投稿し「ブルーインパルスが大好きで、よく基地へ見に行っていた。夢、叶えたね」と称えていた。
その教え子は「経済的に厳しかったから」自衛隊を選んだのだろうか。違う。「夢」があったから選んだのだ。
自らが称えた教え子の選択を、国会では「貧しい子がなるもの」と語る──この矛盾を、古賀議員はどう説明するのか。
おわりに:謝罪で終わらせてはならない
古賀議員は撤回・謝罪した。しかし、それで幕引きにしていいのか。
全国の自衛官とその家族は、今も日本の平和のために身を捧げている。「貧しい子が行くところ」という目で見られていると知ったとき、どれほど傷つくか。国会議員ならば、その想像力を持ってほしい。
立憲民主党は党として、本件に真摯に向き合うべきだ。個人の謝罪だけで済む問題ではない。自衛官への敬意は、言葉ではなく行動で示してほしい。

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