
2026年5月、宮城県沖を震源とする最大震度5の地震が発生しました。このニュースをきっかけに、SNSなどでは「最近、日本中で大きな地震が頻発している気がする」「活動期に入ったのではないか」という不安の声が広がっています。
実際のところ、日本の地震は昨年や過去10年と比べて本当に増えているのでしょうか?気象庁などの公的データをもとに、客観的な事実を検証してみました。
1. データを比較:震度5弱以上の「大きな地震」の推移
私たちが「恐怖」や「危機の切迫」を感じる基準となる、最大震度5弱以上の地震の過去の発生回数を振り返ってみましょう。
日本全体で見ると、震度5弱以上の地震は年平均で約10回〜15回程度発生しています。
• 2024年: 能登半島地震(最大震度7)とその余震活動、さらに各地での中規模地震が重なり、震度5弱以上の回数は例年を大きく上回る多さとなりました。
• 2025年: 前年の能登半島の余震が落ち着きを見せ、震度5弱以上の大地震の回数自体は年間で数回〜10回未満程度と、比較的落ち着いた傾向にありました。
• 2026年(現在): 5月の宮城県沖の地震など、目立つ地震がいくつか発生していますが、統計的に「過去10年と比べて右肩上がりに激増している」というデータは確認されていません。
特定の地域で巨大地震が発生した年は一時的に跳ね上がりますが、日本全体で「恒常的に増え続けている」わけではないことが分かります。
2. なぜ「地震が激増している」と感じるのか?
データ上は激増していないにもかかわらず、なぜ私たちは「頻発している」と感じるのでしょうか。それには2つの理由があります。
① トカラ列島などの「群発地震」による総回数の押し上げ
2025年は、トカラ列島近海などで小さな地震が連続して発生する「群発地震」があり、震度1以上の「総発生回数」自体は過去10年でも多い部類に入りました。体に感じない、あるいは小さな地震のニュースが日常的に流れることで、「日本中で地震が増えている」という印象が強化されたと考えられます。
② 心理的な「利用可能性ヒューリスティック」
人間は、直近に起きた印象的な出来事(今回の宮城県沖の震度5など)をニュースやSNSで繰り返し目にすると、「それが頻繁に起きている」と錯覚しやすい心理的傾向(利用可能性ヒューリスティック)があります。
まとめ:データを知り、冷静に「正しい備え」を
検証の結果、「2026年現在、過去10年と比べて地震が異常に激増しているわけではない」ということが分かりました。
しかし、日本が世界有数の地震国であり、「明日、自分の住む地域で大地震が起きてもおかしくない」という事実は変わりません。
データを見て「増えていないから安心」と油断するのではなく、また「増えているから」と過度にパニックになるのでもなく、この機会に以下の防災対策を冷静に見直しましょう。
• 備蓄品の確認: 水、非常食、簡易トイレが家族分あるか
• 家具の固定: 寝室やリビングの高家具に転倒防止対策ができているか
• 避難経路の確認: 家族間での安否確認方法や避難場所の再共有
不確かな情報に惑わされず、客観的な事実に基づいた「正しい危機感」を持って、日頃の備えを万全にしていきましょう。

コメント