
政府が「実質賃金プラス」を成果として掲げる裏で、日本経済の土台である中小企業が音を立てて崩れています。
今起きているのは、健全な経済成長ではなく、政府主導の「強引な賃上げ要請」と「止まらない物価高」による、中小企業のキャッシュフローを無視した残酷な生存競争です。
【大企業と中小企業、広がる「価格転嫁」の格差】
今回の賃金上昇のカラクリは、極めて単純かつ不平等です。
• 大企業の「勝ちパターン」: 潤沢な内部留保と強い価格決定力を持つ大企業は、物価高を即座に販売価格へ転嫁。そこから得た利益を、政府の顔を立てる形で賃上げに回す「余裕の対応」を見せています。
• 中小企業の「負けパターン」: 下請け構造の中で価格転嫁を許されず、原材料費の高騰を自社で飲み込み続けています。そこへさらに、政府からの「最低賃金引き上げ」という強制力が加わり、キャッシュフローは完全に枯渇しました。
【統計が示す「賃上げ倒産」の実態】
「賃金を上げられない企業は退場すべき」という、机上の空論のような声も聞こえます。しかし、現実の統計は悲惨です。
• 倒産件数の激増: 2026年現在、倒産件数は13年ぶりの高水準となる年間1万件超えのペースで推移しています。
• 「賃上げ疲れ」による破綻: 人手不足を補うための無理な人件費上昇に耐えきれず、自己破産や廃業に追い込まれる「賃上げ倒産」が過去最高水準に達しています。
【結論:これは経済政策か、それとも中小企業の切り捨てか】
政府は現場のキャッシュフローを無視し、数字上の「実質賃金」を追い求めています。しかし、その数字の裏には、物価高と強引な賃上げ要請によって押し潰された、数多くの中小企業の死骸が積み上がっているのです。


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