
政府・与党が、議員定数削減に本格的に動き始めた。高市早苗総理は日本維新の会との連立政権合意を受け、今国会での法案成立を宣言。超党派の協議会を立ち上げ、1年以内に結論が出なければ比例代表のみから45議席を”自動的に削減”するという方針を打ち出している。
削減の方向性そのものには、大賛成だ。議員数の適正化、財政コストの削減、意思決定の効率化──いずれも必要な改革である。ただ今回の方針には、看過できない問題が2点ある。
①「比例のみ削減」という根本的な偏り
現在の衆院選挙制度は、小選挙区と比例代表の組み合わせで設計されている。小選挙区は資金力・組織力・知名度を持つ大政党が圧倒的に有利だ。一方で比例代表は、得票率に応じて議席が配分されるため、小政党でも国民の支持を議席に反映できる。多様な民意を国政に届けるための、いわば制度的なセーフティネットである。
実際、2026年の衆院選を見ると、少数政党の議員は全員が比例代表での当選だ。比例を削るということは、小政党の議席をほぼ丸ごと奪うことに等しい。これは「効率化」ではなく、事実上の多党制の解体である。
②「自動削減スキーム」という手法の問題
「1年で合意できなければ自動削減」という仕組みは、協議の場を形式的に設けながら、実質的には与党ペースで強行できる構造だ。そもそも「比例のみ削減」も「自動削減」も、衆院選の与党公約には含まれていない。選挙で国民の信任を得ていない政策を、事後的に押し通そうとしていることになる。
中道改革連合の階猛幹事長が「与党だけで勝手にタイムスケジュールを決めてやるのはおかしい」と批判したのは、至極まっとうな指摘である。
私のスタンスをはっきり言う
• 議員定数削減:大賛成
• 「比例のみ削減」:断固反対
• 「自動削減スキーム」:断固反対
削減するなら、小選挙区と比例の両方を公平な基準のもとで議論すべきだ。多様な民意を国政に届ける選挙制度の根幹を、与党の都合で歪めることは許されない。「議員削減」という名目のもとで民主主義の質を下げる改革には、断固ノーと言い続ける。

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